確定申告、会社員も知っておきたい基本
「確定申告」と聞くと、フリーランスや個人事業主がするものだと思っていませんか?実は、会社員の方でも、特定のケースでは確定申告が必要になったり、逆に申告することで税金が戻ってくる(還付される)場合があります。年末調整だけではカバーしきれない、会社員のための確定申告の基本と、知っておくと役立つ情報を分かりやすく解説します。
この記事では、確定申告の対象となる可能性のある会社員の方、副業を始めた方、医療費控除など年末調整で対応しきれない控除を受けたいと考えている方に向けて、確定申告の基本的な考え方や、どのような場合にメリットがあるのかを、専門用語を避けながらご紹介します。ご自身の状況に合わせて、賢く税金と向き合うための一歩を踏み出しましょう。
確定申告が必要・得する可能性のある会社員とは?
会社員の方の多くは、毎月の給料から所得税が源泉徴収され、年末に「年末調整」で税額が確定します。しかし、以下のようなケースでは、確定申告をすることで、払いすぎた税金が戻ってくる可能性があります。
- 副業所得がある方:給与所得以外に、一定額以上の所得(給与収入が2,000万円を超える場合を除く)がある場合。例えば、アルバイト、アフィリエイト、ハンドメイド販売、講師業などの副収入が年間20万円を超える場合、原則として確定申告が必要です。
- 医療費控除を受けたい方:ご自身や生計を一つにするご家族のために、1年間に支払った医療費が一定額を超える場合。例えば、病気やケガの治療費、通院費、指定医薬品の購入費などが対象となります。
- 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の初年度:住宅ローンを利用してマイホームを購入した場合、初年度は年末調整ではなく確定申告が必要です。2年目以降は年末調整で控除を受けられることが一般的です。
- ふるさと納税で「ワンストップ特例制度」を利用しない方:ふるさと納税で自治体から寄附金控除を受ける際、年間の寄附先が5自治体以内であれば「特例制度」で年末調整または確定申告不要で控除を受けられますが、6自治体以上に寄附した場合や、制度を利用しない場合は確定申告が必要です。
- その他:株式の配当金や譲渡益(特定口座(源泉徴収あり)以外の場合)、保険金で受け取った一時金(契約内容による)、災害や盗難による損失など、特定の所得や控除がある場合。
いくらくらいお得になる?(一般論として)
確定申告による税金の還付額は、個々の所得や控除額によって大きく異なります。例えば、医療費控除の場合、支払った医療費から保険金などで補填された金額を引き、さらに10万円(または総所得金額等の5%)を超える金額に対して、所得税率をかけた金額が還付の目安となります。所得税率が低い方でも、一定額の医療費負担があれば、数千円から数万円の還付が見込めるケースもあります。副業所得についても、所得金額や所得税率によっては、納める税額が減ったり、還付を受けられたりする可能性があります。
ポイント
年末調整で申告しきれなかった控除や、副業による所得がある場合は、確定申告をすることで税金が戻ってくる可能性があります。ご自身の状況を一度確認してみましょう。
確定申告の基本とよくある疑問
確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの所得について、翌年2月16日から3月15日までの期間に行います。この期間に、税務署やe-Tax(国税電子申告・納税システム)を利用して申告します。
Q. 副業の収入が20万円以下だと、本当に申告不要?
A. 給与所得以外の所得(副業所得など)の合計額が年間20万円以下の場合、原則として確定申告は不要とされています。ただし、この「20万円」は収入金額ではなく、収入から必要経費を差し引いた「所得金額」で判断します。また、給与所得者であっても、給与収入が2,000万円を超える場合は、副業所得の有無にかかわらず確定申告が必要になります。
Q. 医療費控除は、いくらから申告できる?
A. 1年間に支払った医療費の合計額から、保険金などで補填された金額を差し引いた金額が10万円(または総所得金額等の5%に相当する金額のいずれか少ない方)を超える場合に、超えた金額について医療費控除の対象となります。
Q. 確定申告をしないとどうなる?
A. 確定申告が必要な方が申告しなかった場合、無申告加算税や延滞税が課されることがあります。また、本来受けられるはずの還付金を受け取れないままになってしまいます。副業所得が20万円以下で申告不要な場合でも、特定の場合(例:給与所得以外の所得で還付申告をしたい場合など)は、申告することで税金が戻ってくることもあります。
注意点
確定申告の期間は限られています。早めに準備を始め、不明な点は税務署や専門家、または当社にご相談ください。e-Taxを利用すると、自宅から手続きができ、還付金も比較的早く受け取れる場合があります。マイナポータルとの連携で、医療費などの情報が自動入力される機能も便利です。
まとめ:賢く節税・還付を受けるために
会社員の方でも、確定申告は「自分には関係ない」と思わずに、ご自身の状況を把握しておくことが大切です。副業を始めた、高額な医療費がかかった、住宅を購入したなど、ライフイベントがあった際には、確定申告で税金が戻ってくる可能性があることを思い出してください。また、将来の資産形成や保障を考える上でも、税金の知識は役立ちます。ご自身の家計や資産状況を見直し、賢く税金と付き合っていきましょう。